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法人破産・再生・債務整理

民事再生法の特徴

 民事再生法の特徴は何ですか。

 民事再生法の特徴としては、後見型の手続であること、早期の申立と処理のスピード化、再生計画に関する債権者の同意要件が緩和された点が大きなものといえますが、他に従来の法にはない新たな工夫も随所に施されています。再建型の倒産処理法制としては、民事再生法のほかに会社更生法と商法の会社整理の二つがありますが、どちらも管財人(管理人)に業務の執行・財産の管理処分権が移るので、管理型の再建手続といわれます。すなわち、旧経営陣は業務執行権を失い、会社の経営から離れることになります。民事再生法では、従来の経営者がそのまま経営を続ける点が特徴です。これは、アメリカにおいてDIP(Debtor-in-Possession)制度と呼ばれるもので、民事再生法の基本ともいうべき制度です。ただ、民事再生の申立をするに至らせた経営陣がそのまま会社の業務にあたることは、債権者にとっては不安でしょう。そこで民事再生法では、引き続き業務執行・財産管理処分にあたらせるには不適当と思われる場合には、管財人が選任され管理型の手続に移行できるようにしています。また、従来の和議法では破産原因がないと申立ができませんでしたが、それでは再建の時期を失してしまうともいわれていました。このため民事再生法では、支払不能や債務超過のおそれがある場合も申立原因に加えたのです。そして、申立後の手続においても、裁判所の手続開始決定が短期間で出され、再生計画の作成も短期間であるので、平均して数ヶ月で手続が終わるといわれています。さらに、再生計画に関する債権者の同意も、債権者集会における「出席債権者の過半数かつ総債権額の2分の1以上の同意」と緩和され(従来の和議法では「出席債権者の過半数かつ總債権額の4分の3以上の同意」)、さらに書面による決議も認められました。

 執筆日20010221