- 監督委員とは、どんなことをするのか?
監督委員とは、どんなことをするのか? 監督委員とは、民事再生手続全般にわたり債務者の行為を監督する後見的な役割を担っています。特に重要なのは、債務者の再生計画の遂行を監督することです。民事再生手続には、管財人が選任される管財型と監督委員が選任される監督型がありますが、民事再生の特徴でもあるDIP制度(従来の経営陣が手続開始後も経営を続ける制度)の場合、実務では、監督委員を必ず選任する監督型として運用しているようです。監督委員は裁判所の監督命令で選任されますが(民事再生法54条)、会社の再建に実績のある(管財人経験等の豊富な)弁護士が選任されています。監督委員が選任されると、裁判所が指定した行為については、監督委員の同意がなければ債務者は行うことができなくなります。監督委員は、特定の行為について否認権を行使したり、そのために必要な範囲で財産の管理・処分をすることができます。そして、なにより重要なのは、債務者(更生債務者)の更生計画の遂行を監督することです。旧和議法では、裁判所の関与は和議認可決定まででしたので、その後の和議条件の履行を監督する方法がありませんでした。このため和議条件を守らない債務者も多かったのです。このため民事再生法では、監督委員が選任されている場合、再生計画の認可決定後3年間は監督委員が再生計画の履行を監督することとし、3年以内に更生計画が履行されなければ、再生手続が廃止(なかったことと)され、債務者は破産(清算手続)をするしか道がなくなります。
執筆日20010221