- 会社を辞めれば退職金がもらえるのだが、そのような場合でも破産できるか。
会社を辞めれば退職金がもらえるのだが、そのような場合でも破産できるか。 会社を辞めれば退職金がもらえるとしても、その、現在辞めた場合の退職金の額をあなたの財産として評価して、債務総額との比較をするわけではありませんので、破産は可能です。破産手続は、破産者の再スタートを提供するためにあるのであって、破産者(申立人)の将来の収入を奪うことは出来ず、会社を辞めさせることも出来ません。従って、あなたが勤務を続ける以上退職金は下りないのですから、現在退職したらもらえるであろう退職金を、破産の要件である「支払不能」かどうかの判断に加えることは適切でない、といえるでしょう。
しかしながら、債権者の立場からすると、条件付きとはいえ、退職すれば現実化する債権があるのですから、これを配当に回して欲しいと考えるのは当然で、より多くの財産を配当に回すのが職務である破産管財人としても、なにがしかを破産財団に組み入れたいところです。
そこで、破産管財人がつく事案では、退職金のうち一部に相当する額について、破産手続が進行している間に、例えば、給料のうち何万円を破産手続きが進行している間支払うように、破産者に財産提供を求め、債権者を納得させつつ適切な処理を図る事案が多いようです。執筆日20001114