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夫婦生活・離婚・養育費

不貞行為の相手方に対する損害賠償請求の可否

 妻が他の男性と浮気をしていることが分かり離婚したいと思っています。私はこの男性に対して慰藉料請求をすることができますか。

 婚姻中に他方の配偶者が別の異性と性交渉をもったような場合(不貞行為)、その配偶者とその異性に対して、不法行為に基づく慰藉料請求をすることができるというのが判例の考え方です。つまり婚姻関係にある夫婦はそれぞれ他方の配偶者に対して貞操義務を負うところ、不貞行為を行った配偶者とその相手とは共同で貞操義務違反行為を行ったということになり、それに基づく損害賠償責任を負うというわけです。慰藉料額については数十万から300万程度というものが一番多いようですが、不貞行為の態様、期間等によりかなり異なってきます。ただし、不貞行為があった時点ではすでに夫婦関係が破綻していたという場合には、他方配偶者にはすでに保護されるべき貞操請求権(貞操義務の裏返しです)がないといえ、不法行為が成立しないことになります。なお、現在では他方配偶者に対する貞操義務は専らその配偶者自身の問題であり、その配偶者が自由な意思で他の異性と性交渉してもその異性には法的責任は生じないとして、不貞行為の相手の異性に対する慰藉料請求は否定すべきという見解も有力に主張されています。

執筆日20011212