- 痴呆症の妻と離婚できるか。
痴呆症の妻と離婚できるか。 裁判で婚姻を継続しがたい重大な事由であると認められれば離婚できます。離婚には協議による方法がありますが、痴呆で意思を表明できないのですから、裁判離婚しかありません。裁判離婚には、民法の定める離婚原因が必要です。本事例で考えられる離婚原因は、「回復の見込みがない強度の精神病」か「婚姻を継続しがたい重大な事由」です。「強度の精神病」という判断が裁判所でなされると、いろいろの支障があるでしょうから、通常は離婚を認める場合でも後者のほうで離婚が認められます。どの程度の精神病であれば、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして離婚が認められるのか、その判断は非常に困難です。諸般の事情が考慮されるのはもちろんです。
執筆日20001129