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夫婦生活・離婚・養育費

氏を変更することを目的とする協議上の離婚の効力

 私達は婚姻に際して、夫の氏を婚姻により称すべき氏と定めましたが、それを私の婚姻前の氏に変更したいのですが、それを目的とする協議上の離婚は認められるのでしょうか。

 専ら氏を変更することを目的とする協議上の離婚も有効な離婚です。夫婦の離婚意思に関して、将来に向かって夫婦生活を実質的に解消する意思が必要か、または離婚届を提出することに対しての形式的な意思で足りるのか、とても難しい問題です。この問題に関する判例及び実務上の取扱は、離婚意思は、社会通念上夫婦としての共同生活を解消する意思(実質的意思説)ではなく、単に離婚届出に向けられた意思(形式的意思説)で足りるとしています。ですから、氏を変更することを目的とする離婚届も、夫婦の間に離婚届を提出する意思があれば、その理由に拘わらず有効な離婚届けとして取り扱われます。離婚とは反対に、婚姻は社会通念上夫婦としての共同生活を創設する意思が必要です。貴方達の場合、先ず離婚届を提出し、婚姻によって氏を改めた貴女が婚姻前の氏に復氏し、再度貴女の氏を称すべき氏と定める婚姻届を提出すれば良いのです。この際女性の再婚禁止期間に関する定めも、前夫との再婚なので父性の重複が生じることはありませんから、再婚禁止期間に関係なく再婚することができるのです。

 執筆日20010604