- 離婚届の提出前の撤回方法(離婚届不受理申出制度)
私と夫とはいったん離婚に合意し、協議離婚届に判を押しました。ところが、その後小さな子がいることもあり、悩んだ末、離婚を思い直しました。夫にこのことを話しても夫は考えさせてほしいといったきりで、離婚届も夫がもっているようなのです。ですから、夫が勝手に離婚届を出したりするのではと思い不安です。どうしたらよいでしょうか。 離婚届の不受理申出の届出制度があります。協議離婚は夫婦が離婚に合意し、離婚届を市区町村長に届け出ることにより成立します。その届出に際しては窓口で記載事項の不備等について形式的に確認されるだけですから、離婚の意思があるかどうかは確認されません。ですから、あなたの場合のように配偶者の一方が勝手に離婚届を出したとしても、届けの記載事項が完備されていれば窓口ではそれで受理されてしまうのです。このような離婚は本来無効ですが、戸籍の訂正には裁判などが必要でありきわめて手間がかかります。そこで、このような離婚届を未然に防止する手段として不受理申し出の制度があります。具体的には、1)あらかじめ、2)書面で、3)自分に離婚意思がないので離婚届を受理しないようにと記載し、4)この書面(申出書)を本籍地の市区町村長に提出し、願い出ることになります(郵送もできます)。この申出書が受理されると、離婚届は受理されないことになります。不受理申し出の有効期間は、申出書の受付の日から6ヶ月とされています。ですから、その期間が経過した後もさらに離婚届が提出されるおそれがある場合は再度、この申出書を提出することになります。
執筆日20001102