法律Q&A
(C)Powered by LON

ホーム > 法律相談Q&A > 交際・婚約・内縁

交際・婚約・内縁

内縁の妻の相続権

 私は、長年、夫の面倒を見てきたのですが、事情があって籍を入れてきませんでした。私には相続権がないと聞きましたが、本当ですか。

 事情が明らかでないので、よくわかりませんが、あなたの場合は、内縁の妻と言える状態にあると思われます。内縁の妻とは、愛人や不倫の関係、単なる同棲関係にとどまらず、実態は夫婦同然であり、長年一緒に暮らしているのに、何らかの事情で入籍していない関係にある妻のことを言います。内縁の妻には、一切の相続権が認められていません。残念ながらいくら尽くそうが、内縁の立場は圧倒的に弱いものと言わざるをえません。どんなに尽くしても相続人ではないので、寄与分の主張もできませんし、家庭裁判所に対する特別縁故者に対する財産分与の申立という手段もあるのですが、相続人がいれば、その申立もできないのです。以上のように、入籍しているかいないかでこれほど大きな差が生れてしまうのですから、内縁の妻の立場を守るためには是非とも遺言書を作成する必要があると言えます。まして、内縁関係にほど遠く、単なる愛人にすぎず、特に面倒も見ていないのであれば、愛人が取得するには、遺言書しかありえません。

執筆日20000830